東アジア最大の
ブナの原生林
白神山地は、日本の北部・青森県と秋田県にまたがる山岳地帯の総称です。総面積は約13万ヘクタールにおよび、その一帯に東アジア最大のブナの原生的な森が広がっています。 約8,000年前に誕生したといわれる白神山地のブナ林は、一度も伐採や開発されることなく今日まで原始の姿を保っています。
人の手が加わっていない自然の森には、カモシカやツキノワグマといった大型の哺乳類や、希少なクマゲラやイヌワシなど80種以上の鳥類が生息し、豊かな生態系をつくっています。 落ち葉が堆積してできた地面は、深い腐植層となっており、雨を蓄えて山全体が天然のダムの役割も果たしています。
ブナをはじめ、ミズナラ、サワグルミなど多種多様な植物が生育する森を歩いていると、木々の葉の間から差し込む光は目に優しく、心まで癒してくれます。
十二湖森林セラピーロード
十二湖森林セラピーロード500 種以上の植物
約8,000年前に誕生したといわれる白神山地のブナ林には、アオモリマンテマなどの地域固有の植物をはじめ、500
種以上の植物が生育しており、海抜250m付近の台地に広がっている十二湖はブナやカツラ、カエデ、ミズナラ、ホオノキ、トチノキなどが植生しています。
5月~6月にかけてはカタクリやニリンソウ、シラネアオイといった可憐な花が咲き誇ります。
冬には日本海側の湿った空気を受けるため、世界的に見ても雪が非常に多く、ブナ林の地面には、チシマザサに代表されるような、多雪環境を反映した植生がみられます。
世界遺産地域は、最も良く原生状態が保たれており、その価値は極めて重要であると評価されています。
十二湖ギャラリー
十二湖ギャラリー希少な生態系
白神山地は約5,000万年前の北極周辺の植生に近いブナ原生林が見られ、高緯度にもかかわらず、ツキノワグマ、ニホンザル、をはじめ非常に多くの動物が生息しています。
そのほか、国の天然記念物イヌワシやクマゲラなど94 種の鳥類、学術的にも貴重な国の特別天然記念物のニホンカモシカなど14 種の中大型哺乳類、約2,000 種の昆虫類など価値の高い自然体系が保たれています。
春から夏にかけては瑠璃色がきれいなオオルリの美しい鳴き声や、勇姿ですが警戒心の強いヤマセミの甲高い声も聞こえます。
白神のブナ林は、動物の餌となる植物が多く、他の森林に比較して沢山の動物が生息しています。まさに、日本の固有種であるブナを中心とした白神の森は、森林生態系の博物館と言えるでしょう。
白神散策にはガイドと共に歩くツアーがお勧めです。十二湖の森のガイドは希少な生態系をはじめ十二湖の歴史など、探求心と共に癒しの時間を体感いただけます。